自宅とジムを併用している、出張先でも別のジムに通う、契約している複数の店舗を気分や混雑状況で使い分けている——理由はさまざまですが、複数の場所でトレーニングをしている人は少なくありません。そんな時によく起きるのが「同じ種目のはずなのに、前回の重量で組んだら明らかにきつい(または軽い)」という違和感です。
なぜ同じ種目でも「同じ重量」が同じに感じられないのか
原因はいくつか重なっています。まずマシン自体の個体差です。同じ「レッグプレス」という名前でも、メーカーやモデルが違えばシートの角度・可動域・プレートの重さの刻み方まで違います。ケーブルマシンならプーリーの摩擦や滑車の数によって、表示されているウエイトと実際にかかる負荷にズレが生じることもあります。
フリーウェイト種目であっても、ベンチの高さやバーベルの重さ(20kg表記でも実際は多少誤差がある)、床材の硬さなど、環境差は意外と積み重なります。さらに単純に「その日の調子」の影響もあるため、ジムを変えた直後は「重量が下がった」のか「単に環境が違うだけ」なのかを見分けにくくなります。
記録を混同すると起きる問題
もし全てのジムの記録を1つの種目としてまとめて管理していると、こうした環境差が「成長」や「停滞」のようにグラフへ現れてしまいます。実際には順調に伸びているのに、たまたま別のジムで記録した日だけ重量が下がって見え、モチベーションを削がれる——というのはよくある話です。逆に、負荷の軽いマシンでの記録につられて、本来のジムで無理な重量を選んでしまう危険もあります。
ジムごとに記録を分けるという考え方
解決策はシンプルで、「同じ種目名でも、使っている場所(ジム・マシン)が違うなら別の記録として管理する」ことです。こうすることで、それぞれの場所での純粋な成長だけを追いかけられるようになります。自宅トレーニングと外のジムのように負荷の傾向が大きく異なる場合は特に効果的です。
- ジムAの「レッグプレス」とジムBの「レッグプレス」を、別々の記録として保存する
- それぞれの場所で「前回の記録」「自己ベスト」を個別に追える状態にする
- メニュー自体はジムに縛られず、使う種目の組み合わせだけを決める
具体的な管理方法
紙のノートやシンプルなメモアプリでやる場合は、種目名に場所を書き足す(例:「レッグプレス・ジムA」)のが手軽な方法です。ただし手作業だと入力の手間が増え、過去の記録を種目単位で振り返る際に検索性が落ちるという弱点があります。
記録アプリを使う場合は、種目を場所ごとに個別登録できる仕組みがあるかを確認すると良いでしょう。種目を場所に紐付けて登録できれば、記録時に自動でその場所の記録として振り分けられ、後から見返す時も「ジムAでのレッグプレス」「ジムBでのレッグプレス」がそれぞれ独立した推移として確認できます。
ジムを変えた日の重量の決め方
初めて使うジムやマシンでは、前回の重量はあくまで「目安」にとどめるのが安全です。おすすめの流れは次のとおりです。
- 1種目目は、感覚を確かめるために普段より軽めの重量で1セット入れる。
- そのセットのきつさを見て、次のセットの重量を決める。判断の基準は数字よりRPE(自覚的運動強度)にすると、環境差に左右されにくくなります。
- その日の重量・回数は、その場所の記録として残す。前回のジムの記録と比べて「下がった」と考えず、その場所での最初の基準点として扱います。
2回目以降は、その場所の前回の記録を基準に、通常どおり漸進性過負荷の考え方で少しずつ重量や回数を伸ばしていけば大丈夫です。
マシンごとの細かい設定も一緒に残す
同じマシンでも、シートの高さ、背もたれの角度、パッドの位置、グリップの幅などの設定次第で、感じる負荷や効く場所は変わります。ジムを行き来していると、この設定を毎回思い出すだけでも時間がかかります。記録の横に設定値を残しておけば、次回はその設定に合わせるだけで前回と同じ条件で始められ、重量の比較もぶれにくくなります。
記録を分けすぎないためのコツ
場所ごとに分けるといっても、すべてのマシンを別管理にする必要はありません。目安は次のとおりです。
- 自宅とジムのように、器具や負荷の特性が明らかに違う場合は分ける
- 同じチェーンで同じメーカー・同じ型のマシンが揃っている店舗どうしは、まとめても大きくは困らない
- 場所の名前は「自宅」「ジムA」のように短く一貫した呼び方にして、増えすぎたら整理する
まずは「よく通う場所」だけを分けて始め、違和感の大きい種目から個別に管理していくのが現実的です。
よくある疑問
自宅とジムでトレーニングの組み立ても分ける必要がありますか?
「胸の日」「脚の日」といった組み立て方は共通で問題ありません。分けるのは重量の記録だけで、どの場所で行った記録なのかが分かれば、同じ考え方のメニューを使い回せます。
ジム間で重量を換算する方法はありますか?
マシンの構造や設定が違うため、一律に使える換算式はありません。無理に換算するより、その場所での最初の数回を基準点として記録し、そこからの伸びを見るほうが確実です。
前回の重量が分からなくなったらどうすればいいですか?
その場所での前回の記録がすぐ確認できる形にしておくと、迷いが減ります。ノートなら種目名に場所名を書き足し、アプリなら種目を場所ごとに登録して、前回の実施日と重量を見比べられる状態にしておきましょう。
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