先週は80kgで10回、今週は85kgで6回。重量は上がったけれど回数は減った——これは前進なのでしょうか。毎回同じ回数で記録するとは限らないため、重量だけを並べても伸びはなかなか比べられません。こんな時に役立つのが「推定1RM」です。
1RMとは
1RM(1 Repetition Maximum)は、その種目を1回だけ挙げられる最大の重量のことです。筋力の目安としてよく使われますが、実際に限界の重量へ挑むのは体への負担が大きく、ケガのリスクもあります。そこで、普段のセット(重量と回数)から1RMを計算で推定する方法が使われています。
Epley式による計算方法
よく使われる計算式の1つが、Epley(エプリー)式です。
推定1RM = 重量 × (1 + 回数 ÷ 30)
冒頭の例で計算すると、次のようになります。
- 80kg×10回:80 ×(1 + 10÷30)≒ 106.7kg
- 85kg×6回:85 ×(1 + 6÷30)= 102.0kg
重量は85kgの方が重いものの、推定1RMで見ると80kg×10回の方が高い値になります。このように、回数の違うセットを同じ物差しで比べられるのが推定1RMの便利なところです。
ほかにもBrzycki(ブジツキ)式(重量 × 36 ÷(37 − 回数))など、いくつかの式があり、同じセットでも式によって数値は少しずつ変わります。大切なのは、どれが正しいかよりも、同じ式で比べ続けることです。
推定1RMの精度で気をつけたいこと
- 回数が多いほど誤差が大きくなる:推定がよく当てはまるのは、おおむね10回前後までのセットです。20回を超えるような高回数のセットは、筋持久力の影響が大きく、実際の1RMとずれやすくなります。
- 限界まで挙げたセットが前提:計算式は「その回数が限界だった」ことを前提にしています。余力を残して終えたセットでは、推定値は実際より低めに出ます。どれだけ余力があったかはRPEで記録しておくと、数値を読む時の手がかりになります。
- 種目や人によって当てはまり方が違う:マシン種目と自由重量の種目、筋肉の質の違いなどで、同じ回数でも推定のずれ方は変わります。
推定1RMは「実際に挙げられる重量」の保証ではなく、自分の記録の伸びを見るための目安として使うのが向いています。
推定1RMの使いどころ
- 同じ種目の推移を見る:重量や回数の組み立てを変えた時期をまたいでも、伸びているかどうかを1本の線で確認できます。
- 停滞を見分ける:重量が止まって見えても、回数が伸びていれば推定1RMは上がっています。逆に推定1RMが何週も横ばいなら、メニューを見直すきっかけになります。
- 体重比で見る:減量・増量中は、推定1RMを体重で割った値を見ると、体重の変化を差し引いた力の伸びが分かります。
一方、ベンチプレスとスクワットのように異なる種目の推定1RMを比べても、あまり意味はありません。種目ごとの推移として追いかけるのが基本です。
LiFTYでは、分析タブの「種目分析」で推定1RMの推移をグラフで確認できます。1回だけ挙げたセットの重量に絞る「実測1RMのみ」への切り替えや、体重比、期間内のベスト記録(PR履歴)も見られます。推定1RMとボリューム、推定1RMと体重のように、2つの項目を1つのグラフに重ねることもできます(分析タブの使い方)。

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